応用バイオ科学科 食品機能学研究室 (助教:田中 理恵子)

     

生活習慣病と戦う食品成分の探索とメカニズムの解明

 当研究室では脂肪細胞の分化を制御する食品成分や、様々なホルモンの分泌を制御する食品成分の探索を行うと共に、その作用機序の解明を目指しています。最近の研究で、体温調節や代謝制御に寄与する「ベージュ脂肪細胞」の機能を亢進する可能性を有する食品成分をいくつか同定しました。ベージュ脂肪細胞のような熱産生型脂肪細胞は抗肥満研究のターゲットとして近年特に注目されており、同定された食品成分が抗肥満効果を有する可能性が期待されます。



熱産生型脂肪細胞には「褐色脂肪細胞」と「ベージュ脂肪細胞」の2種類が存在し、後者はエネルギーを脂質として貯蔵する「白色脂肪細胞」と共通の前駆細胞から分化します。ベージュ脂肪細胞の分化を制御する転写因子としてPPARgやその活性化補因子であるPGC-1aが知られています。当研究室ではこれらの発現を制御する食品成分の探索や、PGC-1aの上流因子(リン酸化酵素や脱アセチル化酵素等)に関する研究を行っています。


マウス白色脂肪細胞


肥満モデルマウス
     

主な研究テーマ

(1) ビタミンE同族体による熱産生型脂肪細胞の機能制御
(2) 食事性肥満モデルマウスにおけるビタミンE同族体の抗肥満効果
(3) 黒酢抽出物による熱産生型脂肪細胞の機能制御
(4) 食事性肥満モデルマウスにおける米黒酢の抗肥満効果
(5) 熱産生型脂肪細胞の分化を制御するmiRNAの発現解析



     

教員紹介

田中 理恵子 博士(薬学)
2011年 神奈川工科大学大学院 工学研究科 博士前期課程
2014年 東京大学大学院 薬学系研究科 博士課程修了
2014年 神奈川工科大学 応用バイオ科学科 助教